早明浦ダム、第2次取水制限に入る

 四国の水がめ、早明浦ダムの水位が下がり、第二次取水制限を27日9時から始めた。 この早明浦ダムは平成6年と17年の大渇水によりダム底に沈んでいた旧大川村役場が姿を現しダム渇水のシンボルとして全国的に有名になった。

近年大きな課題となっているのが水不足の頻発である。平成20年にも渇水により貯水率が0%となり、気象庁気象研究所早明浦ダム上空で、国内としては 40年ぶりとなる大規模な人工降雨実験を行った。この実験は雨雲に航空機からドライアイスと塩化ナトリウムを散布するというのもであるが、大川村は塩害などの環境への影響を懸念して反対し、大川村上空では実験はしなかった。

この早明浦ダム計画は本山町、土佐町及び大川村の2町1村で 385戸・387世帯が水没の対象となり、特に大川村は村役場を始め主要集落の大部分が水没するが、ダムが完成した後の固定資産税はダム所在地である本山町と土佐町に配分され、大川村には入らない。全くメリットがない大川村は官民一体となった反対運動を繰り広げることとなった。これはまさに今政府が中止を打ち出している群馬県八ッ場ダム吾妻川)での吾妻郡長野原町熊本県の川辺川ダム(川辺川)での球磨郡五木村と全く同様のケースであった。

早明浦ダム取水制限に思うのはダムのせいで海岸線は浸食され、魚介類の生態系も変わってくる。将来の長い目で見れば八ッ場ダムと川辺川ダムは中止した方がよいように思う。